IBM Domino Mobile Apps は、iPad 版のノーツクライアント(ベーシック)と呼べるものです。制限事項はありますが、既存のノーツアプリケーションの基本「修正なし」でそのまま動作することが大きなメリットです。また、Domino サーバーが V10 でなくても使用できるため、V10 にバージョンアップするのはまだ先というユーザー様も利用できます。

この多くの方が期待を寄せている IBM Domino Mobile Apps ですが、実際にどの程度既存のアプリケーションが動作するのかを各機能を検証してみました。量が多いので数回に分けてのご報告になります。

今回は、IBM Mobile Apps の UI・操作編です。

 

検証環境

  • IBM Domino Mobile Apps 1.0.0
  • サーバー:Domino 9.0.1 FP10
  • 端末:iPad Pro 10.5インチ

 

1. UI・操作

確認項目

結果

1-1. 起動直後の画面

1-2. アプリケーションを開く

1-3. ツールバー

1-4. ビューでの操作

1-5. フィールドでの操作

1-6. カメラ

1-7. キーボード

 


1-1. 起動直後の画面
ワークスペースまたはブックマークのようなアプリケーションへのリンクを設定する機能はありませんでした。そのため、アプリケーションを開くには、過去の履歴(最大10アプリまで、超えると消えていきます。)から開くか、メニューからサーバーのアプリケーションを開く必要があります。

 


1-2. アプリケーションを開く
アプリケーションを開く場合、左上のメニューアイコンから「オープン・アプリケーション」を選択します。

 

ノーツクライアントと同様にサーバー名を指定(表示されていない場合、手入力)するとサーバーのアプリケーションが表示されます。開きたいアプリケーションをタップします。


 

 

1-3.ツールバー
ツールバーが上部にあり、ビューやフォームで機能が切り替わります。

 

 

1-4.ビューでの操作
ビューの文書を長押しすることで、文書のコピーや貼り付けができます。


 

 

1-5.フィールドでの操作
フィールドで長押しすることで、書式設定などのメニューが表示されます。


 

 

1-6.カメラ
iPadのカメラを呼び出して撮影、リッチテキストフィールドに添付することができます。(写真の添付も同様です。)

注意点は、撮影した画像のサイズが数MB~十数MBになることです。
ネットワークが遅い環境でサーバーのアプリケーションに添付する場合は注意が必要です。

試した添付方法は以下になります。

  • ツールバー

フィールドを選択後、ツールバーのAttachをタップします。今回使用したiPadでは右端の省略されている部分にあるため、気づき辛いので要注意です。


 

  • ボタン

ファイルを添付するためのボタンを用意します。
@Command( [EditGotoField]; "Body" );
@Command( [EditInsertFileAttachment] )

 

  • フィールドの種類

フィールドの種類をリッチテキストライトに設定して、添付ファイルを入力許可とします。

 


1-7.キーボード → △
iPadで長文を入力する場合、キーボードを利用することもあると思います。iPad 純正のキーボード(日本語配列)を使用してみたところ変換する際に気になる点がありました。

  • スペースキーで変換候補を選択できませんでした。
  • 矢印キーでカーソル位置を移動できませんでした。
  • 変換候補の表示位置がフィールドのスタイルによって変わりました。
    • Notes ネイティブスタイル(従来の「」鍵括弧)の場合、フィールド位置に関係なく、アクションバーの下部に表示されました。
    • OS ネイティブスタイルの場合、入力中のフィールドの真上に表示。変換候補で隠れるため、とても入力し辛かったです。


 

まとめ

今回は、IBM Domino Mobile Apps の UI や基本的な操作についてご紹介しました。Notes クライアントをタッチで操作するのはなかなか新鮮なものがありました。

次回は、全文検索や返答文書の作成、プレビュー、表などの機能についての予定です。