2017年8月18日にIBM Notes/Domino 9.0.1 Feature Pack9がリリースされました。
IBM SupportのFix Centralからダウンロードできますので、ダウンロードしている方もいることでしょう。
今回はテンプレートが多数更新されていますので忘れずにダウンロードしてください(新機能のほとんどがテンプレートに組み込まれています)。
なお、新機能の詳細は、
フィーチャーパック 9 の新機能
に記述されていますので、そちらを熟読してください。
今回はこのうち、「Domino REST API の機能強化」について紹介します。
1.添付ファイルサポートの改善
IBM DominoのREST APIで文書を参照する際、「attachmentlinks=true」というパラメータをつけて実行すると、添付ファイルが実体ではなく、リンク情報を返してくれるというものです。
これにより、RESTの通信量を抑えることができるのとパフォーマンスの向上が期待できます。
実際のデータは次のようになります。
元のNotes文書:添付ファイルのサイズが10KBです。残りはちょっとしたテキストデータです。
パラメータなしのREST APIでの文書呼び出し:画面下のfirebug部分を見るとデータが9.9KBとなっており、添付ファイルサイズとほぼ同じになっています。また、画面中央には添付ファイルがBASE64でエンコードされて呼び出されているのが分かります。
パラメータありのREST APIでの文書呼び出し:通信データ量が1KBと大幅に軽減されていることが分かります。また、添付ファイルの情報が実体ではなく、リンク情報として返されています。
2.全文検索スコア
連載 IBM Notes/Domino の「検索」を使いたおす! 最終回「IBM Notes/Domino検索のさらなる応用」 でも紹介されているように、REST APIで検索ができます。
FP9では、この機能を使って検索を行うと、結果に「相対検索スコア」が含まれるようになります。
具体的には「@score」という項目(数値)が追加されて返ってきます。
この数値を見て、結果の信頼度(関連性)を判断することができるようになり、アプリケーションの幅を広げることができるようになります。
郵便番号辞書のNotes DBに対して、?search=103
というパラメータでREST 検索した結果が以下の図です。
「@score」という項目があることが分かります。
3.管理者による REST リソースのより詳細な制御
REST APIを使うと、Dominoサーバ内のアプリケーション一覧を表示することができますが、それを無効にするパラメータが追加されました。
REST API(Domino Data Service)を有効にしているサーバのnotes.iniにDAS_DATA_DB_COLLECTION=0を追加します。
すると、
http://[ホスト名]/api/data
を実行すると、
http403エラーが返ってきます。
これはDominoサーバの再起動は不要で、即時有効になります。
元に戻すには
DAS_DATA_DB_COLLECTION=1
としますが、こちらはHTTPタスクの再起動が必要です。
その他にも新機能はいくつか追加されていますが、メールに対するものがほとんどです。
こちらは別の機会に紹介したいと思います。